人はなぜプレゼントを贈るの? 相手を想う気持ちを表現するオーダーメイド

2018.10.04

誰がどんなアレンジメントをつくれるかが明確で、発注するお客様がデザイナーに直接意図を伝えることができるSakaseruのオーダーメイドサービス。贈る相手を思い、お客様とつくり手が完全なオリジナルでつくり上げるからこそ生まれるオーダーメイドの価値について、株式会社Sakaseru代表の小尾龍太郎さんにお話をうかがいました。

オーダーメイドで「おしゃれ」「かわいい」以上の価値を提供したかった


六本木にオープンしたSakaseruの前身となる花屋は、もともと既成品のアレンジメントフラワーを販売していました。既成品とは、すでにデザインされたアレンジメントフラワーを受注して 、店舗にいるフラワーデザイナーがそれを真似てつくる、というスタイルです。既成品とはいえ、「おしゃれ」「かわいい」という評価はいただいていて、売上も順調に伸びていました。ただ、評価を得てはいたものの、それ以上の感動を与えられているだろうか?と思うようになったんです。それがオーダーメイドのフラワーアレンジメントを考えついたきっかけです。

それぞれのお花の持つ意味や違いは、詳しくなければなかなかわかりにくい。だからこそ、オーダーメイドでアレンジメントフラワーをつくって、届ける時につくったポイントなんかを一言添えられたら、感動してもらえるんじゃないか?と考えたんです。もともとおしゃれでかわいいお花に付加価値をつけて、もっと深い喜びを提供したかったんですよね。

スーツからフレグランスまで。なぜ今オーダーメイドが注目されるのか

お花を送るシーンを想像してみると、今までは、法人のお客様なら胡蝶蘭、送別会なら3,000円というようにイメージや条件でお花が選ばれるケースがほとんどでした。しかし最近では 、「相手にもっと喜んでもらいたい」「もっと特別な想いを込めたい」と考える人が増えているように感じます。

「なぜこれを贈るんだろう」と贈り主が考えた時、「1mmでもあなたのことを考えました」という想いが伝わるなら、本来は既成品でもオーダーメイドでもかまわないですよね。既成品も購入者のことを思ってつくられているし、購入者は相手を思って選びますから。ただ、既成品とオーダーメイド、そこに違いがあるとすれば、贈られるのが「何か」ではなく「なぜか」に注目されていることだと思います。僕は少なからず、オーダーメイドのほうがそれが相手に伝わりやすいんじゃないかと感じているんです。「なぜ贈るのか」を伝える手段のひとつとして、オーダーメイドが存在しているのだと思います。

それから、お金と時間の使い方も変わってきているように感じます。時間はどんな人でも有限です。お金も一部の人を除いて有限です。その限られた資源をどう使うのか?

たとえば、物質的な「物」をもらう、それは素晴らしいことです。もしかしらたらその人が死んだ後もずっと残るかもしれないからです。でも、今までの人生でどういう記憶が自分の中に残っているかと考えた時、物質的ではないものが強く残り続けているような気がするんですよね。家族で海外に行って大変な思いをしたけどなんとか帰って来られたとか、サプライズで花をもらったとか。

そういうお花や旅、食事の時間などその時しか発生しない「消え物」の良さに、気づく人が増えているというのも時代の背景にあるのではないでしょうか。

プレゼントはなぜ贈る?それは、相手を思う気持ちを伝えたいから

旅工房をイメージしたオーダーメイドのお花をつくっていただきました。旅工房のコーポレートカラーである赤色を基調とし、旅工房とSakaseruの共通のサービスである「オーダメイド」の楽しさを、様々な種類のお花を組み合わせることで表現していただきました。

最近では、この「なぜ贈るのか」という部分に変化が生まれているのを感じます。Sakaseruをよく利用していただくお客様の多くが、公演やライブに出演する俳優さんやアイドルのファンの方たちです。ファンの方たちは、たとえば、SNSで、何ヶ月前に沖縄に行った、というその俳優の情報をキャッチすると「沖縄の花を使って沖縄っぽい雰囲気でつくって!」という風にオーダーするんです。沖縄の花だけを使った既成品のアレンジメントが売っているかというと、それはおそらく難しい。でもSakaseruのサービスならそういうオーダーに答えることができます。最近沖縄に行った大好きな俳優さんのために、その思い出が蘇るような贈り物をする。これこそまさに『オーダーメイド』だと思います。

5年、10年前のお花を贈るシーンでは「どれだけ立派な胡蝶蘭を贈れるか」、つまり、贈る側のステータスが重要に注目されていました。でも今は「どれだけ相手のことを考えていてそれがいかに伝わるか」にみんな注目しているんです。

『インスタ映え』の根底にあるもの、人の深層心理にある欲求とは


お花を受け取った俳優さんたちは、ほとんどの場合、贈られたお花をSNSに載せてコメントします。実は、ファンの方たちは「自分の贈ったお花を俳優さんがどれだけSNSでアピールしてくれるか」というところまでを想定しているんです。自分の好きな俳優さんが、多くの花の中から自分が贈ったもの選んで載せてくれる。それは、想像するに相当な喜びなんじゃないでしょうか。

なぜなら、それで自分の想いが伝わった、相手が喜んでくれたと感じるからです。沖縄風のアレンジメントのように、ファンのみなさんの想いが具現化されたお花は、既成品とは少し違ってちょっと目立ちます。目立つから選ばれる。良いアレンジメント、きれいなアレンジメントであることは当たり前で、お客様が求めているのはそこじゃないんですよね。

『インスタ映え』という言葉は、おそらくもうすぐなくなると思います。今後、日本でSnapchatが流行るなど、表現の方法が変わる可能性があるからです。でもきっと、インスタ映えに似たような言葉や行為がなくなることはないと思います。

なぜ『インスタ映え』したいかといえば、いいね!っていう誰かの共感を得る喜び、自分の気持ちが誰かに伝わることの喜びが根底にあるからですよね。 過去も未来も、人の欲求の根源が変わることはない。だから、「できあがったギフトが思い通りだった」という感動や、「SNSに投稿してくれて嬉しかった」という喜び、そういう本質的な欲求を満たしてあげられるサービス、その受け皿になるような場を提供し続けていきたいですね。

トップデザイナーはイメージの表現力が高い。それが大きな感動につながる


トップデザイナーは、お客様の本質的な要望をとらえて形にするのがとても上手です。たとえば、ピンクが好きな相手にお花を贈る場合、「ピンクのお花を使ったアレンジメント」で終わらないのがSakaseruのデザイナーです。ピンクといってもいろいろありますし、結婚式なのかレストランなのか、贈られる背景シーンまで汲み取って、プラスαの要素をアレンジメントに乗せていくんです。結果的に、できあがったものの満足度も高くなります。

「トップデザイナーはお客様の頭の中にあるイメージを表現する能力が高い」ということを示す面白い例があります。ある法人のお客様のオーダーですが、ご予算は50000円でした。こういう場合、たくさん枝がついてゴージャスに見える胡蝶蘭が選ばれることが多いのですが、その時オーダーを受けたSakaseruのデザイナーは、お客様が「会社のエントランスに並ぶもの」よりも「贈り先の代表の心に残るもの」を求めていると気づきました。そこで提案したのは、ずっと枯れずに残るお花、プリザーブドフラワー。きれいな額縁に入った、会社のロゴを模したプリザーブドフラワーのアレンジメントを作ったんです。「大勢の人に見せるため」ではなく「代表の心に残る」ためにデザインしたので、
エントランスに置けるほど大きくはありませんでした。しかし、お贈りした直後に代表から電話がかかってきて直接お礼をいわれたそうです。お花は今も社長室に飾られています。トップデザイナーは、どんな想いも目に見えるように表現できる。それが深い感動につながっているのだと思います。

表現力だけじゃない。想いを形にするために必要な高い技術

トップデザイナーは、仕入れの技術も高いのが特徴です。仕入れの技術が高いということは、安く、多種多様な花を取り揃えられるということ。アレンジメントする時に使える素材をたくさん持っていると、ボリュームを出したり、珍しい品種を混ぜたりすることができるんです。

お花には、『競り下がり』というシステムがあります。たとえば、10本で5000円から競りがスタートすると、そこからどんどん値段が下がっていき、売れなければ最終的には1円になります。Sakaseruのデザイナーは、市場で値が下がりやすい、つまり、一般的に人気のないお花も積極的に仕入れます。扱いが難しいお花、アレンジメントには向かないお花をうまく生かす技術があるからです。多くのお花屋さんが買わないので、結果として、安く、仕入れることができます。

たとえば、このアレンジメントには毛羽立ちのある「カリの実」 という実ものや、一見、雑草のように野暮ったく見える葉ものが使われています。こういう素材は、どうアレンジメントに組み込んだらいいかわからなかったり、トゲが多いなど扱いが難しかったりするので、一般のフラワーデザイナーがあまり使うことのない素材です。でもSakaseruのデザイナーは、トゲを全部抜いて洗練された見え方にするなど、下処理の技術も高いです。一般のお花屋さんがやらない工夫と品揃えができる。それが、ほかにはないアレンジメントを生み出し、驚きや特別感を提供することにつながっています。

想いを100%表現するために「一緒につくる」

Sakaseruのアレンジメントは、お客様とデザイナーの共同作業によってつくられます。旅工房の旅も、お客様とコンシェルジュが一緒につくりますよね。同じ金額を使うなら、「ちょっと一緒に考えません?」と一緒につくり上げるほうが、より良いものができるし、きっと楽しいと思うんです。俳優さんにお花を贈るファンのお客様の中には、自分の作ったぬいぐるみをアレンジメントに添える人がいます。また、結婚式ではウエディングブーケにこだわりを添える人も多いです。Sakaseruのサービスは、そういう「よりこだわりたい人」「つくる過程に参加するのが好きな人」とフィットしているように思います。

大きな感動や満足感は、お客様に想いがあって、それが正しくデザイナーに伝わった時にこそ提供することができます。だから、どんなに小さくてもかまわないので、その想いをちゃんとデザイナーに伝えてもらうことも大事だと思います。確かな技術を持つトップデザイナーと一緒に共同作業を楽しみながら、思う存分、贈る相手への気持ちを表現していただきたいですね。

株式会社Sakaseru

代表取締役社長

小尾 龍太郎

幼い頃から得意だったプログラミングの技術を生かし、ドワンゴやミクシィなどでSEとして活躍。花屋の業務用システムをつくったことがきっかけで、Sakaseruの前身となる花屋を自らオープンさせた。現在は「人を笑顔にしたい!」という想いをSakaseruのサービスを通して追求しつづける。

URL:https://www.sakaseru.jp/

 

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