【旅メディア編集長対談】TABIPPO.NET編集長 前田塁 × 旅Pocket編集長 細田亜優奈 旅メディアにとって「良い記事」とは?

2019.01.04

旅行情報メディアTABIPPO.NETの編集長前田塁さんと、旅工房のオウンドメディア旅Pocket編集長の細田亜優奈さんに、編集長として考えていることや、「良い記事」とはなにか?など、ざっくばらんにお話していただきました!

TABIPPO.NETはどんなメディアですか。

前田旅行メディアって、なんとなく住み分けをしていると思うんですけど、TABIPPO.NETの場合は、ざっくりと「お出かけ」「日帰り」「ランチ」以外をやっていこうというのが基本的なコンセプトです。なので極端にいうと、日本だと、「長野とか岐阜とかもいいんだけど、それよりも僕らが書くべきなのは小笠原諸島だよね。」みたいな感じです。「今日のランチはどこに行こう」みたいな記事はRettyさんや食べログさんで十分にフォローされてるので、「僕らはもっと旅っぽいものを書こうぜ!」という方向性ですね。

前田規模感でいうと、7,000記事くらい掲載していて、月間のユーザー数だと200万ユーザーくらいですね。なので、元々のターゲットはバックパッカーでしたが、今は旅行好きの人も読んでいただけるようになってきたと考えています。

細田ターゲット広がったことで書く記事も変わりましたか?

前田分かりやすくいうと、インドやタイの記事ばかりだけじゃなくて、ハワイなどの記事も書くようになりました。ただ、TABIPPOに求められることって、自由さ、冒険感、非日常などの要素なので、ハワイの情報を発信する場合でも、オアフ島だけではなくハワイ島やカウアイ島などの離島もやります。

 

旅Pocketはどんなメディアですか。

細田旅Pocketは、まず特徴としては海外旅行専門なので、国内の情報は載せていないです。ターゲットは、20代〜30代の女性をターゲットとしているので、

前田F1層…、1番大変なところじゃないですか。

※F1層=マーケティング用語で、20歳から34歳までの女性のこと。消費意欲が旺盛で、トレンドにも敏感なことから、多くの企業・マスコミの関心を集めている。

細田そうなんですよね。笑 もともと旅工房のターゲットが20代〜30代の女性で、旅Pocketは旅工房のオウンドメディアとして生まれたので、旅Pocketを通して旅工房をを知っていただきたいという目的もあります。

細田どんな記事を書いているかというところですが、さきほどの旅先別の話でいうと、旅PocketはTABIPPOさんとは逆で、韓国やハワイなど人気の行き先の人気スポットの情報は、しっかり書いていきたいなと思っていますね。テーマ別でいうと、ショッピングとかおみやげとかですね。旅先で自分も試してみよう!買ってみよう、行ってみようと思っていただけるような、使える旅行情報であることを大切にしていて、キラキラしすぎて憧れで終わってしまうような記事にはならないようにしています。
また、普段お客様の予約を承っているトラベル・コンシェルジュも記事を書いているので、お問い合わせでお客様からよくいただく質問などを元に記事にしたり、トラベル・コンシェルジュおすすめの旅プランなども紹介しています。

 

記事はだれが書いていますか。

前田TABIPPO.NETの場合は、書き手は半々に分かれていて、まず半分が、僕も含むTABIPPO編集部。ニュースとかインタビュー、取材などは、編集部が書いています。もう半分はトラベルライターと呼ばれる、海外を旅している人たちで、旅しながら自身の体験を書いてもらっています。例えば、「ミャンマーのビザが解禁されました!」っていうニュース記事は、日本にいる編集部の方が素早く正確な情報を書けます。一方で、「ミャンマー行ったらこんな場所だったよ!」みたいな最新のミャンマーを伝えるような記事はトラベルライターに書いてもらってます。

細田トラベルライターになるには試験みたいなものはありますか?

前田あります。エントリーのときに出していただく企画書を見ています。TABIPPO.NETのことを理解してくれているか、発信したい内容がTABIPPOと相性が良いかなどをチェックします。これまでの執筆歴は全く見ていない訳ではないですが、旅人からの応募が中心なので、そもそもライター経験者は少ないですね。旅Pocketはどうですか?

細田主に、ライターさんとトラベル・コンシェルジュの2軸で記事を書いていますね。旅Pocketには、「現地に実際に行ったひとしか書けない」というルールがあるので、ライターさんには現地在住の方や旅人の方が多いですね。トラベル・コンシェルジュは、旅工房の研修制度が充実していて、年に1回程度は、ほぼみんな海外研修にいくことができるので、それに合わせて記事を書いてもらうようにしていますね。

 

編集のときに気をつけているポイントはなんですか。

前田旅人の経験や感情には手を入れないようにしています。様々な意見があるかと思うのですが、僕自身としては、中立的すぎるメディアはやりたくないなと思っていますね。

前田ハフィントンポストというメディアがあるんですけど、その「ハフィントン」って、実は人の名前で、いわゆる「ルイスのブログ」みたいな感じ。リベラル派であるハフィントンさんの主義・主張を伝えるためのメディアとして始まっているんです。これまでは、メディアは中立的でなければいけないと思っていたのですが、このことを知ってから、「中立的じゃなくても、自分の主張を伝えるためにメディアを運営することってありなんだ」って思うようになったんですね。TABIPPOは「旅で世界を、もっと素敵に。」をミッションに旅する人を増やすことを目的としているので、旅って楽しいよ!を発信する旅人たちの感じたことをできるだけそのままにしようと。

細田旅Pocketは、「誰でも読める記事」というところを意識していますね。例えば「サムギョプサルがおいしい!」という記事でも、「韓国の焼肉サムギョプサル」と説明をつけるようにしています。旅人ならだれでも知ってそうなことでも、知らない人もいるというところを忘れずに編集をしています。また、普段お客様の旅行をサポートしている旅行会社として、情報をしっかり書くということも意識していますね。ただ、言葉遣いやテンポやノリみたいなところは、それぞれのライターさんにおまかせしていて、読みやすさというところをクリアしていれば、ライターによりけりという方が良いかと思っています。それがいろいろなライターさんにお願いする面白さだと思っています。

前田修正というところだと、TABIPPO.NETは、企画の段階で試行錯誤することが多いです。例えばアンコールワットっていう場所って、多くの旅人が訪れるので書きたい人が渋滞しちゃってるんですよね。笑 ただ、読者にとってはアンコールワットの記事って分かりやすいものが1つあれば良い。このギャップを解消するために、「アンコールワットの朝日の見方」みたいに、切り口を変えてもらうことがあります。

 

2つのメディアについて、同じ旅行メディアでも、ターゲットや編集の観点が異なっていること、それに伴って掲載されている記事の毛色にもかなり違いがあることが分かりました。そこで、それぞれのメディアにとって、「良い」記事とはなにか?を教えてください。

前田F1の話だと、僕って「F1ではない」じゃないですか。31歳のおじさんなので。そうなると、F1向けの記事をチェックする上で、読者にとって面白いかどうかは僕には分からないんですよ。その自覚はあるので、編集目線として企画のピントが合っているかということを「良い」記事の1つの基準にしてます。例えば、要素がたくさん入っている記事って良さそうですが、何を誰に伝えたいかが分かりづらい。編集ではそういう記事をできるだけブラッシュアップして、「あ、これってこういうテーマだったんだね」とピントを合わせる作業をしていくことで、良い記事に仕上げようとしています。

細田旅Pocketの場合は、私自身が旅Pocketのターゲットなので、私自身がワクワクするかどうかを大事にしています。笑 ただ、F1層ってすごく広くっていろんな人がいるので、ブラッシュアップはそこまでしていなくって、F1層のなかの誰かに届けばよいかなと思っています。なのでライターさんもなるべくF1層の方に書いていただくようにしています。

 

これから編集長として、どんなことをしていきたいですか。

前田僕は、編集長兼TABIPPOの創業メンバーでもあるので、早いうちに卒業しないと「権威だけがあるおじさん」になってしまう…笑 TABIPPOの場合、創業メンバーや社長に権力があるという訳ではないんですけど、「とはいえ」って新しいメンバーは思うじゃないですか。笑

前田なので、スパッと、潔く退くことを考えています。読者の感覚とずれたままメディアを運営するといういう状態を避けたいので若返りをしたいなぁと。ただ、運営に関する部分はノウハウのある人間が進めた方がうまく進めやすいので、サイトの開発や戦略は僕が担当して、コンテンツに関わる部分を編集長として引き継げればなと思っています。旅Pocketはどうですか?代替わりとかありますか?

細田そうですね。旅Pocketは、代替わりというかまだオープンしてから1年と少しのメディアなので、これからは編集部をもっと増やしていきたいなと思っている段階ですね。社内でも社外でもよいのですが、これまでは、ほとんど私ひとりで企画を考えてきたので、いろんなひととディスカッションをしながら企画を考えていけたらと思っています。

前田それ絶対社外の人が良いですよ!旅行業界以外の方で。

細田アパレルとか?確かに楽しそう!

前田2年前にメディアが大きく成長した時期があったんですけど、その要因が他メディアの編集長たちと相談できる関係を作れたことでした。編集長って孤独だし、自分の知識だけで判断して進めてしまうところがあるんですけど、意見を交換することで、勘どころみたいなものを得ることができて、メディアをどんどん改善できたんです。なので、旅行という枠組みにとらわれず、いろんなメディアの編集長と意見交換するのがおすすめですね。

 

これから、メディアをどのようにしていきたいですか。

前田TABIPPOは、旅人が増えればWEBメディアにこだわらず方法はなんでもOKというスタンスです。これまでは記事を発信するメディアという形でやってきましたが、テキストと画像の組み合わせしか取り組んでこなかったのでWEBメディアというより、WEBサービスとして進めることで、できることの幅が広がるんじゃないかなと考えていますね。

細田旅Pocketはまだまだ記事数も少ないので、まずは記事を増やしていって、読んでいただけるメディアになることが目の前の目標だと思っています。それから、旅PocketもTABIPPO.NETと同じように、旅をするひとが増えたらいいなと思って運営しているメディアなので、旅が好きなひとだけじゃなくて、コスメが好きとか、カフェが好きっていう、旅以外の趣味があるひとにも、旅したいなと思うきっかけを届けていきたいなと思っています。

TABIPPO.NET 前田塁さん、旅Pocket 細田亜優奈さん、ありがとうございました!
どちらのメディアも「旅する人を増やしたい」という、共通の思いをもって運営をされていますが、ターゲットによって、記事の内容や編集の観点が大きくことなっていることを知ることができました。

現在、旅PocketとTABIPPO.NETはライターさんを募集しています!
旅が好き、旅を伝えたい!という方は、ぜひ応募してみてくださいね。

旅Pocketのライター募集はこちら:https://www.tabikobo.com/tabi-pocket/writer

TABIPPO.NETのライター募集はこちら:https://tabippo.net/travel-writer/

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