【HOTEL SHE,OSAKA龍崎翔子×旅工房Twitter担当榊花乃】ユーザーニーズにマッチしたホテル・旅行を届けるためのSNS活用術

2019.01.11

非日常体験を届ける観光サービスである、ホテルと旅行。安いか高いか、料金で選ばれることが多くなった今、ホテルとユーザー、ツアーとユーザーのミスマッチが起きてない?
HOTEL SHE.OSAKAを運営する株式会社L&G GLOBAL BUSINESS代表の龍崎翔子さん、旅工房のマーケティング担当榊花乃さんが対談。マッチ度をあげるための仕組みづくりについてお話していただきました。
2人が考える観光業界の今とこれから、またそれを支えていくSNSの存在とは…?

まずは龍崎さんのお仕事について教えてください!

龍崎私たちの会社は、ホテルの運営しているのですが、日本全国で5か所、北海道で2つと京都と大阪、それから神奈川県湯河原にホテルを持っています。新しくホテルをオープンさせることもあるのですが、もともとあったすでに廃業してしまった古いホテルや温泉旅館をリノベーションして再オープンさせることもあります。そのホテルづくりのもととなる考え方として、私たちの会社は、ホテルをメディアだと捉えています。例えば、新聞や雑誌が2次元的なメディアだとしたら、不動産のショールームは空間を通して情報を発信する3次元的なメディア。そう考えるとホテルは、空間+時間を通して情報を伝えることができるので4次元的なメディアになると思っていて。また、ホテルは衣食住の住に関わる産業だと思うのですが、服を試着したり、食べ物を試食したりする感覚で、「ライフスタイルを試着」することができる空間でもあるなと思っています。そのような考えを元に、「寝る」とか「泊まる」を越えたホテルの可能性を提案するようなホテルづくりをしています。

そういえば、今年の夏ごろ、龍崎さんのホテルが「平成ラストサマーのプレイリスト」をつくっているというツイートを見ました!私はまだホテルを利用したことがないのですが…、ホテルの利用者以外にも、平成の音楽についての情報が流れてきて、確かにメディアとして機能しているなぁと思いますね。

龍崎そう思っていただけてるのは、めっちゃ嬉しいですね!まずは泊まりに来てくださったお客様に対して、情報を伝えるというところを目指しているんですけど、理想としてはホテルの発信力を使って、泊まりに来ていない方に対しても、私たちの考え方や価値観を伝えることができたらいいなと思っていて。だから榊さんがTwitterからその想いを感じてくれているのは、とても嬉しいです。

龍崎例えば湯河原の旅館では、「原稿執筆パック」や「積ん読解消パック」というキャッチーな企画をしてみているんですけど、これは温泉旅館の泊まり方について新提案したいという思いもあって。温泉旅館に泊まるって、ご褒美のイメージがあると思うんですけど、温泉旅館ってラグジュアリーなものになればなるほど、泊まる頻度は減ってしまうし、温泉業界としても苦しくなっていく一方だと思うんですね。それよりも、もっとラフに、例えば銭湯にいくように、月1でもいけるような泊まり方を提案したいなぁと思ってこの企画を実施したんです。実際に来てくださったお客様もいて、もちろんありがたいのですが、SNSでこの企画を見つけて、「そういう温泉の泊まり方もあるんだぁ。」と思っていただけるだけでも嬉しいですね。

龍崎湯河原って、昔は小規模で高級な旅館が多くあって、熱海などの広々とした宴会に使われるような旅館というより、文豪が籠もって文章を書いたり、湯治に使われたりするような温泉街だったんですね。その街の空気感に合わせて、旅館もコンセプトの見直しをしていて、「原稿執筆パック」や「積ん読解消パック」などの街の空気感を織り込んだ企画を作ったりしています。どのホテルや旅館もその街のキャラクターを感じてもらえる空間になるように、考えていますね。

それ、すごくいいですよね。旅行会社のツアー紹介ページの写真って、だいたい風景になってしまうことが多いんですけど、龍崎さんのホテルのような、その国のキャラクターがぎゅってつまったようなホテルがあると、そのホテルの写真で、その国のことを分かりやすく伝えられるんじゃないかなぁって思いました。

龍崎例えば、大阪旅行にいくとしても、グリコのところで写真を撮ったら満足!っていうことではないと思っていて、やっぱりみんな阪神好きなんだとか、ほんとうに大阪のおばちゃんはあめちゃんくれるんだとか、そういう地域性を感じられるところに旅の楽しさがあるんじゃないかなと思っていて。観光スポットだけを巡って満足!という時代は、終わったんじゃないかなと思うんですね。これまでは、ラグジュアリーな非日常を求めて、旅行に行く人が多かったと思うんですが、今は、他の人の日常という非日常を体験したいと思っている人も多いようで、旅行の目的も変わりつつあると感じていますね。だからこそ、誰かの非日常を追体験できるような空間としてのホテルづくりをしたいと思っていますね。

次に、榊さんのお仕事について教えてください!

まず、旅工房についてなのですが、旅工房は海外旅行専門の旅行会社です。特徴的なのが、旅先別に部署が分かれているところで、他の会社だと、仕入れの部署、企画の部署、予約は店舗で、と分かれていて、例えば予約のスタッフは、アメリカ旅行でもヨーロッパ旅行でも、同じスタッフが対応してくださるのですが、旅工房の場合は、ハワイであればハワイセクションという部署があってその中にハワイ専門の仕入れスタッフ、企画スタッフ、予約スタッフがいるので、専門性の高さを強みとしています。また、専門性の高いことから、旅工房のスタッフはトラベル・コンシェルジュという肩書をもって働いています。旬な情報をすぐに取り入れられたり、ニッチな要望にも対応できるところが強みですね。

龍崎それって、オンライン販売だからできる強みですよね!

ネットで旅行される方が多い時代なので、そのニーズに答えられるように、ネットでスムーズに予約ができるという利便性と、トラベル・コンシェルジュの信頼性を組み合わせています。そんな会社のなかで、私はマーケティングセクションという部署に所属していて、主に広報領域の仕事をしています。分かりやすいところだと、Tabikobo Journeyの編集長とTwitterの公式アカウントの中の人をしています。旅工房のことやトラベル・コンシェルジュのことを、世の中に伝えていくことが私のミッションですね。

料金で比較されやすい旅行やホテル。料金比較サイトについての考えは?

料金比較サイトで初めて旅工房を知って、トラベル・コンシェルジュの良さを体験して、その後リピーターになってくださる方も多いので、旅工房を知るきっかけの1つになっている点ではいいなと思っています。なので、現在は、料金比較サイトと自社サイトの両軸で展開しています。ただ、やっぱりツアーの魅力を伝えられる幅が、自社サイトよりも狭いとは感じていますね。また、比較サイトによって、掲載できるツアーの条件などもあるので、すごく魅力的なツアーがあっても掲載できないこともあったりと、自由度は自社サイトのほうが高いですね龍崎さんのホテルの場合は、どうですか?

龍崎もちろん比較サイトに掲載させていただけるのは、私もありがたいと思っていて、比較サイト経由で、もともとホテルを知らなかったお客様にも、来ていただけるのは嬉しいですね。ただ、どうしてもミスマッチが起こってしまうことも多くって、比較サイトの決められた枠の中だと、どうしても伝えきれないところがありますね。ミスマッチがあると満足度も下がってしまいますし、それはお客様にとっても、私達にとってもネガティブなことなのでできるだけ、SNSなどの自社発信を強化していきたいなと思っていますね。

さきほどの龍崎さんの、旅行の目的が変わりつつあるというお話にもつながると思うのですが、今まではラグジュアリーな非日常体験を求めているユーザーが多かったということで、料金別で一括で見られる比較サイトはすごく便利だったかと思うのですが、他の人の日常という非日常体験を求めているユーザーが増えつつある今、どんな体験ができるのか、どんな雰囲気なのかなどをしっかり伝えられるようなサイトだったり、SNSが必要になってきますよね。

他の人の日常という非日常体験を求めるユーザーが増えつつあるというトレンドに対して、SNSをどう活用する?

龍崎HOTEL SHE OSAKAは、Instagramを強化していて、写真を通して、ホテルの雰囲気を伝えたいと思っています。また、自社発信だけでなく、ユーザーからも発信していただけるように、いわゆるUGCと呼ばれるお客様自身がオリジナルコンテンツを作りやすい仕掛けを作っています。「ここを撮ってインスタに載っけよう」と思っていただけるような場所を、ホテル内に設けていますね。

龍崎今Instagramに並んでいる写真の半分くらいはお客様が実際に撮ってくださったホテルの写真をリポストしたものです。この場所がホテルであること、SHEという場所であること、自分がそこに行ったと分かることが伝えられるスポットがあると、お客様は自発的に写真を撮ってpostしてくださるように感じます。

※UGC:ユーザーの手によって作られたコンテンツのこと。SNSに投稿されたコンテンツのほか、サイトに投稿された口コミやレビューなども含まれます。
※リポスト:Instagram内の写真のシェア機能

旅工房もSNSには力を入れていて、先日Twitterで「#韓国愛を叫べ」というキャンペーンを行いました。旅工房のことをまだ知らないユーザーに、旅工房をしってほしいというのも目的の1つだったのですが、韓国愛を叫んだノリで韓国旅行に行ってほしいという狙いもあって。

目的に合った旅を選ぶに近いのですが、「韓国コスメを買いに行きたい」とか「韓国料理を食べたい」とかそれぞれの韓国愛に合った旅行をページから探せるような導線を作りました。結果、ご予約も多くいただくことができ、料金だけでなく目的で旅行を選ぶ時代になっていると確信した例ですね。

今後の展望ややってみたいことを教えてください。

龍崎今、ホテルの自社予約システムを開発していて、SNSからサイトに来たユーザーが使いやすいようなサイトづくりを進めているところです。旅行先を探すときに利用するのって検索エンジンだけじゃないと思うんですよね。今は、InstagramなどのSNSやWEBの記事から旅行先を探すユーザーも多いのではないかと思っています。なので、SNSからの導線をスムーズにするのはもちろんですが、WEBの記事を読んだユーザーがそのまま予約できるような導線を作るなど、様々な予約チャネルを作っておきたいです。

ホテルや旅行って「明日使う」ものではないじゃないですか。なので、旅行をするときでなくても、頭の片隅に旅工房を置いておいてもらうことが大事だなと思っていて、日常の中に溶け込めるSNSには、これからも注力していきたいなと思っています。

私たち世代にとって、SNSは学校の渡り廊下みたいな場所で、そこで友だちと喧嘩もしたし、ときめいて恋もして、嫉妬とかもしたりしてきて。笑 SNSの中で、心を動かされたり、心を動かしたり、当たり前のように心のやりとりをしてきたんですよね。なので、私は、SNSをマーケティングのツールだとはどうしても思えなくって、旅工房の気持ちを伝えられる、ユーザーの気持ちにも応えることができるコミュニケーションの場だと思っているんです。なのでこれからは、トラベル・コンシェルジュの思いや旅工房の思いをSNSを通して伝えていきながらも、ユーザーの旅への思いも受け取っていきたいと思っています。

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